AKAI カセットデッキ GX-Z6100 の修理 2014.12.18

    ジャンクのGX_Z6100
    外観はGX-R3500に似ている

     ここ一月余りハードオフでジャンクのカセットデッキを2台(TRIO KX-4000, PIONEER CT-405)立て続けに入手し、修理を楽しみましたが、修理後のデッキは、いずれもワウフラが大きく本格的な試聴には不十分でした。

     もう少しまともなカセットデッキは無いものかと思っていました所、いつものハードオフで、AKAI(といってもA&Dですが)の「GX_Z6100」のジャンクを見つけました。

     AKAIのカセットデッキは、5年程前に、「GX-73」と「GX-R3500」を入手し修理したことがあります。修理したデッキは、暫く使用した後に売却してしまいました。

     AKAIのGXヘッドは有名です。GXヘッドの音をもう一度聞いてみたくなり、このGX-Z6100を購入しました。

     ジャンクの理由は、製造年が古いこともさることながら、やはり再生不良です。早送りや巻き戻しは大丈夫とのことでした。


    ■外観チェックと動作確認

     外観はすこぶる良好です。大きな傷もなく年代の割には綺麗です。自宅に持ち帰り、簡単な動作確認をしてみましたが、商品説明どおりに再生時テープが廻りません。多分ベルト切れだと思われます。

     早送りや巻き戻しは、元気良く廻ります。リール専用のモーターで振り子式のアイドラーが使われているのだと思いますが、ゴムの硬化による空回りが起きていないのは感心です。

     後で分解して判ったのですが、ゴムリングは使わずに歯車によるギヤ機構が使われていました。これならいつまでも元気よく廻って当然です。


    ■分解と修理・機能確認

     ケースカバーを開けて中を確認してみました。このデッキは、1989年の製品ですが、この頃になるとカセットデッキは、どのメーカーもデッキメカと大きな基板一枚と簡素なものです。

     再生できない原因は、やはりベルトです。ゴムベルトが溶けて切れていました。このデッキメカでは、ゴムベルトは一本だけです。手持ちのベルトの中からサイズの合いそうなものを取り付けてみました。少々きつい感じでしたが、うまく回転してくれました。

     録音・再生・早送り・巻き戻し、全てうまく動作します。気になる音の方ですが、特に可もなく不可もなし。問題ない音が出ています。ダブルキャプスタンによるクローズドループの効果でワウフラも感じられません。暫く使ってみようと思います。


    デッキメカと基板一枚の簡素な構造です。 フロント側です。基板のフロント中央にあるのはCRLP用のモーター付きボリュームです。 フロントパネルを外しました。つまみ類を事前に外す必要はありません。

    デッキメカです。中央の録音・再生のGXヘッドが輝いています。 歯車を使った振り子式のアイドラーです。確実に回転します。 ゴムベルトが溶けてキャプスタンホイールに固着してしまっています。

    古いベルトを洗い落として交換しました。 ベルト交換後の録音・再生の機能確認を行いました。