DENON CDレシーバー・アンプ UD-M3の修理(その2) 2006.03.13

     ヤフオクを眺めていて次のような出品を見つけました。

     DENON CD/チューナーアンプ UD-M3 ジャンク
     電源が入らない為、ジャンク品です。修理可能な方、部品取りにとお考えの方、いかがですか。
     USED品の為、多少のキズ・汚れがあります。
     本体のみの出品です。
     ノークレーム・ノーリターンでお願い致します。

     UD-M3は以前に一度修理した経験のあるCDレシーバ・アンプです。商品説明から想像するに、多分基板上のヒューズ断と思われます。

     UD-M3の内部には、ロジック回路用の6V電源、モーター駆動用の8V電源がありますが、それぞれにピコヒューズが基板上に取り付けてあります。これらのヒューズ切れなら修理は簡単です。修理を楽しんで見ようと入札した所、誰とも競うことも無く、出品価格の100円にて落札できました。

     商品が到着し外観からチェックを始めました。出品前に清掃してあるのでしょうか、経年による小傷はあるものの外観は比較的綺麗でした。電源ケーブルが今にも引き千切れそうな感じに傷んでいます。このままでは怖くて通電できません。

     ケースを開けて、中を覗いてみますと、なんともやは汚いこと。ケース裏側には、電源部分から出た煤がたっぷりとついています。CDトレイ部分には、埃がこびりついています。煙草のヤニも少し混じっているようです。

    ケースカバーを開けて見た。
    埃っぽい
    トレーにも埃が
    電源ケーブルが千切れそう
    ケース裏側は真っ黒
    内部ケースにも埃が
    埃がこびりついている
    定電圧電源用IC

     電源ケーブルを修理し、通電して電源回路をテスターでチェックします。ケース横に取り付けてある定電圧電源ICの入力電圧を確認します。ロジック用の7806の入力がありません。モーター用の7808の入力には+23Vが、出力には+8Vがありました。前回修理したUD-M3とは、逆の症状です。前回は、7808側の入力切れでした。原因は、基板上のヒューズ切れに間違いありません。

     ヒューズ取替えと清掃を兼ねて分解します。基板上のヒューズですが、7808の入力側のヒューズが一度交換されているようです。交換されたヒューズの規格は、「500」から「750」に変更されています。前回の修理でも述べましたが、「500」のヒューズでは、また切断するという懸念から、一ランク上のものに取り替えられたものと思われます。DENONのサービスセンターが修理したのか、部品だけ入手して個人修理したものかどちらか判りませんが、適切な対応だと思います。

     今回は、7806側のヒューズ切れです。こちらも自然劣化による切断と思われます。手持ちのヒューズを使って、7806、7808両方のヒューズを交換しました。

    パーツを分解した
    メイン基板
    問題のヒューズ
    ヒューズを交換

     ヒューズ交換と分解したパーツの清掃を終えて、組み立てなおしてテストです。期待どおりに電源が入り、操作スィッチのボタン操作も可能となりました。CDトレイの開閉も出来るようなりましたが、不都合な面も見つかりました。

     レシーバーですが、FMは綺麗に受信できますが、AMがまともに受信できません。大幅に感度低下しています。AMループアンテナを取り付けて、チューニングを試みますが、ほとんどの局が雑音に埋もれてしまいます。受信電界の強い局だけが、何とかノイズに埋もれずに聴こえるという状況です。

     CDプレーヤーですが、最初、CDの認識もうまくいかず、CD-Rに至っては全然認識しませんでした。ピックアップレンズの清掃とレーザー出力ボリュームの調整でなんとか認識再生できるようになりましたが、ランダム演奏などでピックアップを頻繁にシークさせるような動作をすると、激しく音飛びしたり、再生停止したりします。

     その後、ピックアップを分解したりしたものですから、CDを全然認識しなくなりました。レーザー発光していないようにも見受けられ、CDプレーヤーの機能は死んでしまったも同然の状態となりました。

       カセットデッキMDレコーダーを接続してのシステム動作は問題なく、リモコン(ヤフオクで以前に入手)にも正しく反応します。FMラジオや単なるアンプとして使う分には全然問題ありませんのでセカンドアンプとして暫く置いておくことにします。