DENON 3連装MDデッキ DMA-M10Eの修理 2006.01.08

     ジャンク品です。ヤフオクにて130円で落札。商品説明には、
    電源は入りましたが、Mech Errorと表示され、操作が一切ききまません。
    ジャンク品です。部品取りや修理の知識の有る方いかがでしょうか。
    外観は使用感がありキズ、汚れが多少あります。
    リモコン、取説はありません。
    のように書かれてありました。

     商品が到着し早速動作確認に取り掛かります。電源を入れ液晶パネルの表示を暫く眺めていると、ディスクのタイトルを表示し、その後トラック数と総録音時間が表示されました。どうやら中にMDディスクが取り込まれたままになっているようです。

     1番目のトレイのイジェクトボタンを押して見ると中から一枚のMDが飛び出して来ました。この飛び出て来たディスクをまた押し込んでやるとスンナリと中に呑み込み、最初の時のようにディスクタイトルに続いてトラック数と総録音時間を表示します。どうやら1番目のトレイは問題ないようです。

     この状態から再生ボタンを押して見ると素直に再生を始めます。背面の出力端子からピンケーブルにてアンプに接続して再生音を確認すると音飛びもありません。再生については問題無いようです。

     1番目のスタッカーにMDを入れたまま、2番目、3番目のスタッカーにMDを入れます。このチェンジャーのメカでは待機中のMDを中に呑み込む事はしないようです。スタッカーの入り口にそっと差込んでおくだけです。最初このメカニズムが分からず、更に中に押し込もうとしても入らないので、やっぱりメカが壊れているのかなと思った次第です。

     まずは3枚のMDを入れたまま連続再生のテストをして見ます。ディスクの1番目の演奏が終了すると、中からMDがせりだして来て1番目のスタッカーに戻ってきます。続けて2番目のスタッカーのMDが中に取り込まれ演奏を始めます。2番目のディスクの演奏が終了すると3枚目のディスクも同様に取り込まれて演奏されました。3番目のディスクの演奏が終了すると停止しました。ディスクを跨るプラグラム演奏を行うにはリモコンが必要なようです。前面の操作パネルでは出来ません。

     次に録音の試験を行って見ました。当方の調べ方が悪いのかも知れませんが、録音はスタッカーの1番目のディスクだけが可能でした。2番目、3番目のディスクを選択した状態では録音ボタンが有効になりませんでした。このデッキでもアナログ入力の他に光デジタル入力が2系統あります。今回はアナログ入力でディスク一枚分の録音を試して見ました。録音中に「Defect Error」も出ずに正常に終了、再生してみると問題なく録音出来ていました。

     以前に入手した単体のMDデッキDMD-M10と同様、このデッキでもリモコンなしでディスクタイトルやトラック名の編集、曲の分割、結合、移動が可能です。入力ソースのアナログ、デジタル切り替えも前面の操作スィッチで出来ます。ただ、プログラム演奏の設定には、リモコンが必須となります。DMD-M10のリモコンはディスク選択をする機能はありませんが、その他の機能に関してはDMD-M10のリモコンを兼用することが出来ました。

     元々はMDチェンジャーのメカニズムを勉強するつもりで手に入れたものです。向学のためにケースを開けて中を覗いて見ました。DMD-M10のシングルデッキとは違ってやや複雑な様相です。基板もガラス多層基板が使われており高級感が漂います。チェンジャーメカも相当複雑そうです。本当にメカ不良を起こしていたとしたら果たして修理できたかどうか危ういものです。


    ケースを開けて見ました。

    チェンジャーメカの背後にATRACを処理するICが見えます。

    SONYのATRAC IC(CXD2654)Version4.5です。かなりCDに近い音質になります。KENWOODのDM-SE7やDM-SG7は、CXD2652 Version4.0を使っています。