SONY カセットテープデッキ TC-WR870の修理 2010.2.13

    ■TC-WR870というデッキ

    ダブルオートリバースの本格デッキ

     SONYのダブルオートリバースカセットデッキ「TC-WR870」、1991年発売の製品だ。

     このジャンク品をいつものハードオフで見つけた。埃にかぶっていたが、傷はなく丁寧に清掃すれば 見違えるようになりそうであった。 ジャンクの理由は、定番の「再生出来ない」というもの。ベルト切れに間違いはなかろう。

     SONYのオートリバースカセットデッキは、以前に「TC-RX715」のジャンクを入手し修理したことがある。 このデッキ、製造年は、それよりも少し古いようだが、機能面に遜色はなさそうだ。何よりもダブルデッキが魅力的だ。

     カセットテープをBGMとして聴く場合には、オートリバースが便利であり、メインデッキ以外に、 リバースデッキがあってもよいかなと思っていた時に、偶然にも「TC-RX715」を入手でき、 便利に使っていたのだが、その後、 AKAIのオートリバースデッキ「GX-R3500」のジャンクを入手したことから、そちらに乗り換えていた。

     ダブルリバースデッキともなれば、90分テープ2本を一気に再生できる訳で、店頭で見つけた瞬間に、「GX-R3500」を 追いやって、このデッキが活躍している姿を頭の中に描いてしまった。

     店員の「ジャンク品だから返品できません」の断りも気になるはずも無く大事に持って帰った。


    ■TC-WR870の動作確認と修理

     自宅に持ち帰り濡れ雑巾でさっと埃と汚れを落とす。たったこれだけで綺麗にはなったが、操作ボタン細部の汚れを 落とすには、分解清掃が必要だ。

     動作確認を行って見ると、左のAデッキはキャプスタンが廻らない。ベルト切れだろう。 一方、右のBデッキは廻るものの再生音が間延びしている。ベルトは切れていないがヘタっているようだ。 2デッキともベルト交換が必要だ。

     ケースカバーを開け内部を調べる。キャプスタンを廻すメインベルト2本は予想どおりに駄目であったが、 カセットドアの開閉やヘッドの上げ下げを行うメカ制御用のプーリーベルトはヘタリもなく大丈夫であった。 その他、回路基板にも問題はなさそうだ。

     やはりこのデッキも時代を反映してメイン基板一枚と2つのデッキメカというシンプルな構成で出来ている。 ベルト交換の前に、フロントパネルを取り外し、操作ボタン類とともにパネルの洗浄を行った。

     デッキ全体が綺麗になったところでメインベルトを自作のベルトに交換して修理は完了である。

     流石にダブルリバースともなると、流し聴きするには非常に便利だ。またこのデッキは、左右別々にドルビーNRを 設定できるので流すテープに制約がなくて良い。肝心の音質だが、そこはSONYの製品だけに可も無し不可も無し。 BGM再生機としての音質・性能は十分だ。

     その後、再生だけでなく古いテープの消去専用デッキとしても便利に使っている。