SONY カセットテープデッキ TC-RX715の修理 2008.12.31

    オートリバースの本格デッキが手に入る

     SONYのオートリバースカセットデッキ「TC-RX715」、1994年発売と比較的新しい製品だ。 このジャンク品をハードオフで見つけた。

     埃にかぶっていたが、良く見てみると傷はなく、丁寧に清掃すれば見違えるようになりそうであった。ジャンクの理由は、「再生出来ない」というもの。

     このデッキ、良く見てみると扉の開閉がボタン操作となっている。もし扉が開かないとなると少々やっかいだ。 そこで、店頭で再確認を要請して見る。案ずるまでもなく扉の開閉操作はスムーズであった。

     不人気機種なのだろうか、付いている値段は、専用のリモコンまでもが付いてたったの800円。安さに引かれて購入した。


    ■TC-RX715ジャンク品の動作確認と修理

     自宅に持ち帰り濡れ雑巾でさっと埃と汚れを落とす。たったこれだけで見違えるようになった。

     動作確認を行って見ると確かにフォワード方向の再生が出来ない。 ところがリバース方向には正常に再生できる。もちろん早送りや巻き戻しは問題が無い。

     カセット蓋を取り外してカセットホルダー内部の動きを調べて見ると、 フォワード方向のピンチローラが回転不良をおこしている。 ローラーの軸部分に錆びが発生し回転していない。ローラーを取り外して軸部分の錆を落としてやったら、 なんとか再生するようになった。良く調べて見るとローラー中心部のパーツも痛んでいたので、代替品をプラ棒で作成して交換して見た。

     これで、再生はうまく出来るようになったのだが、テープの試聴を繰り返し行って見ると、時折、再生速度が落ちて音が間延びすることがある。 一旦遅くなるとずっと遅い。キャプスタン軸の回転が安定しない。 内部のメインベルトが劣化しているようだ。ベルト交換が必要だ。

     ケースカバーを開けて見る。この年代になると、配線ケーブルは、大半がフラットケーブルになり、 基盤との接続もコネクタが多用され、分解・組み立てが容易となっている。カセットデッキメカもわずか 4本のビスを外すだけで簡単に取り外すことが出来た。

     よれよれになったメインベルトを自作のメインベルトに交換して修理は完了である。

    写真右側のピンチローラを補修する
    大きな基板が一枚だけのシンプルな構成
    分解・組み立ては容易
    デッキメカのメインベルトを交換する