ONKYO MD/CDミニコンポ FR-V5の修理(その2) 2008.02.03

     ONKYOのFR-V5のジャンク品を凝りもせずにヤフーオークションでまた手に入れた。この機種は、人気の機種だけに落札は無理だろうと思っていたのだがあっさりと1,900円で落札。送料は、着払いで950円、合わせて2,850円と3000円でお釣りがくる値段。動作すれば儲け物だ。

     出品時の説明書きは次のとおり。

     ・CDを入れると数秒後に扉が開いてしまい全く機能しない。
     ・MDのテストはしていないので動作不明。
     ・チューナーは、FMが聴こえた。
     ・外観は、そんなに悪くない。

     商品が届き早速に動作確認を行う。外観は確かに綺麗である。期待の持てる商品だ。LINE-1、LINE-2、TAPE-IN/OUT、DIGITALの音出しを確認する。AM/FM の受信も確認、全て問題無し。

     次に期待を込めてMDを差し込む。MDがローディングされ、「READING」の表示が出る。が、いつまでたってもTOCを認識しない。イジェクト釦を押すとMDが排出された。何度やっても同じ、MDを取り替えてみても症状は同じ。MDユニット付近に耳をあてて見ると、ピックアップヘッドが動いている音は聴こえる。メカニズムは問題なさそうだ。最悪のレーザー出力ダウンか、あるいは、埃かぶりかも知れない。試しにMD挿入口からエアーダストスプレーを2、3回吹き付けて見た。すると、状況が変り、「TOC ERROR」を表示する時もあれば、正常に認識したりもするようになった。一旦認識すると、再生、飛び越し操作は良好だ。どうやら不良原因はピックアップレンズの汚れのようだ。この不安定な段階での録音テストは止めておいたほうが良い。TOCの書き戻しに失敗すれば、MDを一枚駄目にしてしまう。

     次にCDを確認する。こちらは、出品の能書きどおりに一度閉じたトレイが数秒後に開いてしまい、その先に進めないので確かに状況は最悪だ。とはいうものの、トレイ開閉用のベルトのヘタリが、その原因である公算が大きく、ベルト交換であっさりと直るものだ。

     ともかく中の様子を見るためにカバーを空けてみる。ケーブルがインシロックで止めてあり、内部全体に埃が一様に積もっていた。これは、まだ誰も弄くったことのない証だ。ちょっと嬉しくなる。最近は、中を弄くり回した挙句に修理出来ずにジャンク品として再出品される物があり要注意だが、手に入れるまでは判らないので困ったものだ。前回のFR-V5は、間違い無く誰かが弄くったものであったが、事なきを得て幸いであった。今回は修理バージン商品なのでその心配は無い。

     出来ることならMDユニットは分解したくないのだが(過去に分解して壊してしまった経験がある)今回は仕方ない。ユニットを本体から取り外し分解する。ピックアップレンズは予想どおりに埃を被っていた。録音ヘッドやその他の部分に気をつけながら、アルコールを染み込ませた細筆でレンズ表面の埃を拭い取る。ユニットを元通りに組み直し、MDのテストを行って見る。再生動作は良好だ。CDが使えないのでDIGITAL入力からの録音テストを行って見る。こちらも良好だ。音切れも無く綺麗に録音された。MDの復活である。いとも簡単に直ってしまった。

     次に、CD部分にアクセスするために分解に取り掛かる。分解と同時に内部回路に積もった埃を拭う。分解して埃を取り去った各パーツを仮組みして、CD部分のメンテナンスを行う。前回のFR-V5の修理の時と同様、トレイ開閉用のゴムベルトをゴムシートから切り出したゴムベルトに交換する。これでトレイの開閉動作は問題が無くなったが、CDを全く認識しない。こちらも前回と同様レーザー出力が大幅に低下しているようだ。試しにピックアップ部分の調整用ボリュームを約30度、時計回りに回してみるが症状は変わらない。次に逆方向、半時計回りに同様に30度程回して見るとCDを認識するようになった。飛び越し操作にもピックアップが問題無く追従する。暫くCDを再生してみるが音飛びは皆無だ。CD−Rの認識も問題が無い。ただし、基本的にレーザー出力が低下しているのをボリューム調整で誤魔化しているのでレーザーダイオードの寿命がすぐに尽きるかも知れない。その時はピックアップの交換だ。それまでの間、使える所まで使い切って見たい。