ONKYO チューナー付き3CDチェンジャーアンプ CHR-185の修理 2016.01.18

     ヤフーオークションで、トレイが開閉できないONKYOの3CDチェンジャーアンプ「CHR-185」が格安で出品されているのを見つけました。このチェンジャーのチェンジャーユニットは、おそらく以前に修理した3CDチェンジャー「C-707CH」と同じ物が使われているように思われます。トレイの開閉不良は、C-707CHと同じくゴムベルトの劣化が原因と思われます。

     C-707CHの修理では、チェンジャーユニットの分解手順が判らずに苦労しましたが、もう一度このチェンジャーユニットの修理に挑戦してみたくなり落札しました。

     果たしてCHR-185を分解してみた結果、ほとんど同じチェンジャユニットでした。ただ、使われているゴムベルトの数が異なります。C-707CHでは、ベルトは2本でしたが、CHR-185では4本となっていました。チェンジャーメカの構造としては同じですが、トレイの開閉に一段多くのプーリーがCHR-185では使われています。この関係でベルトが2本増えており、CHR-185はより軽いトルクでトレイが開閉できるようになっています。 使われているモーターの仕様が異なっているのかも知れません。

     C-707CHの時は、チェンジャーを力まかせに分解して大変な目に遭いましたが、今回はうまく行きました。チェンジャーを分解せずにベルト交換が簡単に出来ました。ベルト交換後の動作もスムーズです。

     このCHR-185は随分と長い間使われていなかったのか、操作パネルのボタンスィッチが接触不良となっていました。あるボタンを押してもスィッチの接触抵抗により違うボタンを押したように動きます。

     最悪なのはPOWERボタンを押していないのに、あたかもPOWERボタンを操作したかのように動くケースです。CD再生中に選曲ボタンを押すとうまく選曲出来る時もあれば電源が落ちてしまうことがあります。入力切り換えボタンを押した時も電源が入ったり切れたりします。

     操作ボタンのタクトスィッチを交換すれば確実なのですが、同じ形状のスィッチが手元になく、取り敢えず基板用のアルコール洗浄剤をタクトスィッチ内部に流し込み、ボタンを何度も押して、スィッチ内部の接点清掃を試みました。

     これで完璧ではありませんが、CDピックアップのエージングを兼ねて通電することでスィッチの誤動作はほとんど無くなりました。

     以下、修理の時の写真です。

    ONKYOのチューナー付き3CDチェンジャーアンプ。ジャンク品です。
    保管状態が悪く埃や汚れが目立ちます。
    中の電源トランスまで埃が堆積しています。コネクタ部分には汚れがあります。


    ピンジャックも錆び付いています。
    スピーカー端子廻りも同じ。
    カバーの天板です。通風孔付近の引っ掻き傷が目立ちます。


    カバーの左サイドです。目立つ大きな傷は幸い有りません。
    右サイドです。こちらは綺麗です。
    カバーを外して見ました。通風孔からの埃が堆積してます。


    珍しくファンが付いています。ONKYOのFRシリーズのコンポにはありません。
    アルミ製のトップカバーを外しました。
    操作パネルからのケーブルです。インシュロックを外します。


    こちらのケーブルは、CDチェンジャからのケーブルです。 インシュロックを外してケーブルを引き抜きます。 バックパネルの分解です。トランスカバーを外しました。


    バックパネルを止めている全てのビスを外した所です。 ファンの角に電源ケーブルを止めているインシュロックを外します。 ファンの奥に見えるケーブルはCDチェンジャーからのケーブルです。これも引き抜きます。


    上の緑色のデジタル回路基板をめくりあげると下には電源基板があります。 電源トランスからのケーブルを纏めているインシュロックを外します。 デジタル基板や操作パネル、アンプユニットからのケーブルを引き抜きます。


    デジタル基板や操作パネル、アンプユニットを取り外した状態です。 これがデジタル基板です。左上がチューナー部で、下部中央から右がCDの制御、左には、マイコンが搭載されています。
    電源基板を引き抜いて外します。


    黒いカバーと奥側のアナログ信号基板を外します。 CDチェンジャユニットです。これをシャシー裏側のビスを緩めて外します。 チェンジャユニットの金属製のカバーをビスを緩めて外します。


    カバーを外したチェンジャユニットです。
    案の定ゴムベルトがゆるゆるです。このチェンジャでは4本のベルトが使われています。 ベルトは、溶けてふにゃふにゃです。ベルトを交換するにはトレイを引き抜かねばなりません。


    この写真の左上側に写っている白いプーリーを反時計方向に廻すとトレイは簡単に引き抜けました。 上の白いプーリーを廻しているベルト2本を取り外した状態です。 こちらは、左手前の白いプーリーを廻している2本のベルトです。


    取り外したベルト類です。指で摘まむとグチュという感じで潰れて指先は真っ黒になります。 ベルトがこびりついていたプーリーを取り外して、アルコールで清掃し、新品のベルト4本を取り付けた状態です。この後、トレイを押し込んでベルト交換作業は終了です。 操作パネルからスィッチ基板を外しました。取り合えず、タクトスィッチにアルコールを流し込んで、接点部分の清掃を試みます。これで駄目な時はスィッチの交換が必要です。


    動作確認できる所まで組み戻します。トレイの開閉はスムーズに出来るようになりました。 ピックアップの劣化が心配でしたがCDやCD−Rをしっかりと認識しています。タクトスィッチはまだ接触不良が完全に直っていませんが、暫く様子見としました。