KENWOOD テープデッキ X-SE7の修理 2006.01.05

     「X-SE7」は、KENWOODが1997年秋に発売したシステムコンポAVINOシリーズの「SE-7MD」を構成するカセットデッキです。これもヤフオクで手に入れました。カセットでありながら、CDデッキのようにトレイが開閉し、テープは水平設置されます。水平に置かれることによりワウ・フラッターの低減にいくらかの効果があるようです。ノイズリダクションもドルビーBは勿論のこと更にその上のドルビーCも搭載しています。単体のテープデッキとしてもなかなかのものです。ただ、やはりというかメタルテープの録音には未対応です。

     さて、正常動作品ということでしたので、簡単な動作確認をして見ました。一応、まともな動きをしていますが、なんとなく頼りげない動きです。トレイの開閉もシャキッとしていません。また、テープの巻き終わりになるとキュルキュルと異音がします。どうやらベルトのヘタリが来ているようです。

     早速に分解を始めます。ケースカバーを空けて見るとカセットメカの機構が良く見えます。正面から見て左側にトレイ開閉用のゴムベルトが見えます。ピンセットで触れてみると伸びきっているようです。少し引っぱってやると伸びが大きくなったようで、トレイの開閉はするのですが、閉めた時にカセットを押さえる金具が落ちきらずにトレイがまた開きます。テープの装着センサーが働かずにトレイを押し戻してしまうようです。いつものように手持ちのゴムシートから適当な大きさのゴムベルトを切り出して交換してやりました。これで、この不具合は直りました。トレイの開閉はスムーズにキビキビとした動作をするようになりました。

     次にキュルキュル音の調査です。このメカでは走行ベルトやプーリーベルトは裏側にあり、この状態では見ることが出来ません。メカユニットをケースから取り外してやる必要があります。メカユニットを取り外してベルトを調べて見ますと2本ともそんなにヘタリは見えません。まだまだ使えそうです。本当は交換したい所ですが、走行用のメインベルトは幅が5ミリあります。厚さ5ミリのゴムシートからベルトをうまく切り出せれば良いのですが、これがなかなかうまく行きません。1ミリ厚のシートから直径差5ミリのベルトを切り出して使う手もありますが、この方法ではワウフラに影響があるような気がします。結果、ベルトはこのままにしておくことにしました。ただし、アルコールで、ベルトやプーリーのベルトが当たる部分の清掃だけはしておきました。この清掃だけでもキュルキュル音はいくらかましになりました。

     この後、ケース内部の清掃、ピンチローラやキャプスタン軸、磁気ヘッドの清掃をして修理完了としました。