Victor カセットデッキ TD-V505 の修理 2009.1.19

    TD-V505
    3ヘッド、ダイレクトドライブが期待感を高める

     一度は、ダイレクトドライブのデッキを手に入れたいと思っているのだが、なぜか入手するものは、 ベルトドライブばかり。最近入手したTD-V731もベルトドライブだ。

     目的を達成すべく、次なるデッキとして、3ヘッド、ダイレクトドライブ仕様のリモコン付きの TD-V505を入手した。

     もちろんジャンク。不具合は、この当時のVictorのダイレクトドライブ機で定番の再生速度が速い というもの。修理方法は、これまた定番、ドライブモーター制御基板にある電解コンデンサ2個を 交換すれば直るというものだ。

     ダイレクトドライブ機として、なぜTD-V505を選択したのか、それは人気が無くて安く入手出来る だろうという読みと、ひょっとしてカセットメカは、TD-V931に採用されたものと同じなのでは 無いか、さすれば、メカをTD-V731に移植出来れば面白い。

     ヤフオクでTD-V505は複数台出品されていたが、あえてリモコン付きを選んだ。先に入手した TD-V731とリモコンは共用できるだろうとの読みだ。

     入手したTD-V505だが、外観は綺麗なものだ。先に入手したTD-V731よりも更に程度が良い。 擦り傷などはほとんど見られない。

     操作ボタン類の印刷文字もくっきりしており、かすれなどは見られない。ヘッド周りも綺麗だ。 一度手入れされたのか、ほとんど使われていなかったのか。

     付属品のリモコンの動作も正常だ。読みどおり、このリモコンでTD-V731もコントロールできた。

     動作テストを行って見るとやはり再生速度が速い。早送りのような状態だ。これでは録音確認は とうてい不可能だ。

    カセットホルダー
    HALF SHELL STABILIZER
    TD-V731,V931と同じ
    録音微調整項目はLEVEL,BIAS,BALANCEの3つ

     早速にカバーを開ける。開けてびっくり、大きな基板が一枚とカセットメカだけのシンプルな構成。 配線もすべてフラットケーブルですっきりしている。ケーブルを見る限り、カセットメカのTD-V731 への流用は無理なようだ。ここは素直に諦める。

     問題のドライブモーター制御基板は、メカの取り外し・分解は不要で、カバーを開けただけの 状態で4本の留めネジを緩めるだけで取り外すことが出来た。 

     基板コンデンサ2個を取り外し、16V10uF の電解コンデンサ2個と交換する。基板には、液漏れ の跡がはっきりと見て取れた。本当にこれだけで直るのかと、半信半疑で制御基板を元に戻し、テスト を行って見ると見事に直っている。

    大きな基板が一枚
    V731と同様にシャシーは木製ベースに搭載されている
    ドルビー用IC?
    問題のカセットメカ
    ダイレクトドライブだ
    カセットメカのフラットケーブルを外す
    制御基板は簡単に外せる
    制御基板のベースは鉄板
    40W以上の半田鏝が必要だ
    ICの傍にある2個の
    基板コンデンサが不良
    コンデンサ2個を交換

     再生・録音の動作確認を行ってみた。全く問題無い。音の方は、別に悪くはない。当方の年老いた 耳では、TD-V731と変らない。

     3ヘッド機ならではの録音時のキャリブレーション動作を行って見た。SOURCEとTAPEのモニター 切替を試して見る。ここでBIASやBALANCEの微調整を行うのだが、前面のパネルを良く眺めて見ると、 TD-V731には無かったLEVELの微調整があった。LEVELの調整は、DENONのDR-M27HXにもあったが、 これがあるだけで、なぜかTD-V731よりも価値があるように思えてしまう。

     ディスプレーのカウンターだが、先に入手したTD-V631やTD-V731の例にならえば、テープの走行時間や 残り時間を表示できるはずなのだが、操作方法がわからない。カウンターの表示モードの切替ボタンが 見当たらない。リモコンにも該当ボタンは無い。特定のボタンの2度押し、あるいは、複数ボタンの 同時押しでも必要なのかも知れない。あーだこうだと触っても全然判らない。

     そこでヤフオクで取扱説明書を入手することにした。入手できれば付属品が全て揃うわけで、 今後手放す(売る)時に、少しは有利かも知れない。