「R−SG7」は、KENWOODが1999年に発売したシステムコンポAVINOシリーズの「SG−7MD」を構成するFM/AMチューナーを内臓したアンプです。これもヤフオクで手に入れました。 正常動作品ということでしたが右側のスピーカーから音が出ません。R−SG7の電源を投入した直後に音が出ないのです。この状態から音量を上げて行きますと、一定の大きさになった所で音が出るようになります。一旦音が出ると音量を下げても大丈夫ですが、電源の切り入りを繰り返すと再発します。AB級動作から純A級動作に切り替えた時も同様です。 電源を切り入りした時や動作モードを切り替えた時には、スピーカー保護のために出力リレーが動作し、一度アンプ出力を切り離し、再度接続する訳ですが、このリレーの接点が酸化し、接触抵抗が大きくなって来ているようです。大音量にしてやるとこの酸化膜が破壊されて繋がるのだと思われます。 出力リレーを交換すれば直るものと思われますが、まずはリレー接点の清掃を試みてみます。 トップカバーを開けて見ます。中にはチューナーやメインアンプ回路が見え、スピーカー端子の直近に問題のリレーがありました。 このままの状態でリレーカバーを外すことが出来れば良いのですが難しそうです。
分解して全ての基板を取り外し、その後基盤裏側から半田を吸い取り、リレーを基盤から外しました。さて、 取り外したリレーの仕様ですが、リレーカバーには、コイル電圧はDC-24V、接点容量は、AC-125V-2Aと書かれていました。 R-SG7の実用最大出力は20Wです。インピーダンス6オームのスピーカーを接続した場合の最大出力電流は、1.83Aとなりますので、 接点容量が2Aというのは問題無いということになります。4オームのスピーカーを接続すると2.24Aとなり容量オーバーとなりますが、 家庭内演奏で20Wも出力することは無いでしょうから接点容量が問題とはならないと思います。
リレーカバーを外し、アルコールを染み込ませたペーパーを接点に挟み、接点表面を清掃しました。リレーを元に戻し分解した基板を組立直し、 FMを受信して出力テストを行ってみた所、小音量での電源入り切りによるスピーカー不鳴動の不具合は無くなりました。これで修理完了です。 |