SHARP 3連装CDチェンジャー付きMD/CDステレオコンポ MD-X60の修理 2006.01.04

     このコンポは、「3CD+MD+AM/FM+カセット」の構成で、1998年に購入したものです。

     3年後の2001年にCDのTOC読み込みがエラーとなり、近所のミドリ電化の家電修理にて光ピックアップを交換修理しました。15,000円も取られました。今思えば、交換しなくてもレンズ清掃で直っていたかも知れません。

     今年(2005年)の1月になってCDのTOC読み込みエラーが再発しだしました。暫くはCDの使用を諦めていたのですが、これの本格修理を思い立ちました。まずは3CDチェンジャーの光ピックアップのレーザーダイオードのボリュームを心持ち少しいじって見ました。効果適面でCDが読めるようになりました。

     カセットは、ほとんど使っていなかったので大丈夫だろうと思ったのですが、早送りや巻き戻しの時に途中でテープが止ります。回転トルクが弱ってきています。多分ベルトがへたってきているのでしょう。そこで、コンポを分解してベルト交換ができるかどうか内部を見てみました。

     テープユニットまで辿り着くには、コンポを全て分解する必要がありそうです。ベルト交換に備え、掃除を兼ねて分解・組立をやって見ました。中は埃が一杯です。このコンポには、アンプのICを冷却するためのファンが内臓してあり、このファンにより埃が大量に吸い込まれているようです。

     基板上に積もった埃を取り除き、ついでにCDチェンジャーのピックアップのレンズもアルコールを浸した綿棒で清掃しておきました。MD部分は、全体が金属ケースに納まっていて、埃が入り難い構造になっていたためレンズの汚れなどはありませんでした。問題のカセットにはベルトが2本使われていました。

     一応の清掃を終え、組み立て直して電源を入れた所、コンポの前面の液晶パネルが表示しません。真っ暗です。また、壊してしまったかとへこみながらも気を取り直し再度分解して配線をチェックしました。良く見ると、液晶パネルから電源基盤に繋がる配線のコネクタが外れたままになってました。これをしっかりはめて無事、元に戻りました。

     分解・組立手順が理解できましたので、早速SHARPのサービスセンターにベルトを注文しました。取り寄せになるとのことで、注文して2日後に手に入れることができました。早速、ベルトを交換、ついでにCDのピックアップのレーザーダイオードの調整用ボリュームを、またまた少しいじっておきました。

     さて、組立ててカセットの動作テストです。今回は液晶パネルも無事表示してます。カセットの早送りや巻き戻し、オートリバース、早送りの頭出し、などなど、全ての動作が良好です。次に、MDの読み込みテストをします。問題なしです。次にCDのテストを始めたのですが、CDをトレイに入れて読み込もうとした時に、ビリビリビリビリビリビリっとけたたましい異音がします。なにが起こったのかとまた分解して観察してみました。CDが回りだしたとたんに異音がします。どこかが擦れているような音です。チェンジャー部分を良く観察するのですが、どこが擦れているのか皆目分かりません。なんどもテストすると、数回に一回はうまく行く時があります。

     原因が分からず、また素人修理で壊してしまったかと、へたりこんだわけですが、冷静に考えて見ました。何が変わったのか?そう、カセットのゴムベルトの交換のついでにCDのピックアップのボリュームを少しいじりました。そこで、半信半疑、ボリュームを逆方向に少し戻してみてテストしてみました。異音などまったく出ません。嘘のように静かにCDが回転します。どうも異音はピックアップ部分からでていたようです。

     この現象ですが、このように考えると納得できます。ピックアップ部分は、トラッキングやフォーカシングのために上下左右に振れる構造になっています。この振れの調整はCDで反射してきたレーザー光の強弱を検出して行われています。ボリュームをいじくった関係でレーザー光が異常に強くなったか、弱くなったのでしょう、それによりピックアップの上下左右の調整が大きく振れることになり異常な音を発したのだと思われます。

     これで、このコンポは完全に修理完了となりました。