SANSUI プリメインアンプ AU-D607G EXTRA の修理 2016.05.29


    ■ジャンクのAU-D607G EXTRA

    ジャンクの「AU-D607G EXTRA」
     外観は綺麗です。

     今年の1月にヤフオクでジャンクのプリメインアンプ、SANSUIの「AU-D607G EXTRA」を入手しました。
     商品説明には、「電源を入れた時にジジジーという音が出ます。」と書かれていました。

     商品が到着し動作確認をしてみると、確かに電源投入時にジジジーという音がします。心なしか、スピーカー保護のリレー回路が動作するのが遅いような気もします。

    「TONE」や「SUBSONIC」「MUTING」の各スィッチをオンにした時に表示されるLEDの点灯も僅かに点滅しているようで不安定です。暫くすると異音も治まりLEDの点灯も安定します。

     外観はジャンクとは思えぬ程綺麗です。目立つような傷や汚れはほとんど見当たりません。木製のケースカバーにも塗装の剥がれなど見られません。

     電源投入時点の不安定さはありますが、その後の動作には全然問題ありません。入出力回路も不具合は無くメインボリュームにややガリが見られる程度です。異音の問題が解決すれば、よいプリメインアンプになるはずです。


    ■故障箇所調査と修理

    木製カバーを開けて見ました。

     異音の発生箇所ですが、ケースカバーを開けて確認してみると電源スィッチ付近から発しています。おそらく電源スィッチの接点摩耗に伴いスィッチ内部でアーク放電しているものと思われます。試しに、電源スィッチをクリップコードでバイパスして、電源プラグをコンセントに差して見ると異音も無く数秒でリレー回路が動作しました。電源スィッチ不良に間違いありません。

     交換用の電源スィッチをネットで探しましたが同じ様な物はなかなか見つけられませんでした。一箇所見つかったのですが問い合わせて見ると受注生産で1個の販売は出来ないと断られました。

     仕方なくスィッチを分解してみました。やはり接点が荒れていました。荒れた部分をヤスリで磨き元に戻してみたらうまく電源が入るようになりました。異音もしません。


    この電源スィッチから異音が出ています。
    接点をクリップコードでバイパスすると異音はしません。


    スィッチを取り外しました。これを分解します。 接点が荒れています。黒い煤も付いていました。
    接点部分を磨いて元に組み立て直します。



    ■メンテナンス

     元々綺麗なジャンクでしたが、中にうっすらと積もった埃などを取り除き、内外部の清掃を行いました。また、パワーアンプ基板については電解コンデンサを交換してみました。イコライザー基板も交換した方が良かったのかも知れませんが、レコードを試聴した限り問題を感じませんでしたのでこのままとしました。

     ボリュームのガリですが、接点部分にアルコールを流し込みぐりぐり廻すことで解消しました。


    パワーアンプ基板です。電解コンデンサの被服が少し収縮しているようです。 交換用に音響用の電解コンデンサを調達しました。
    電解コンデンサを交換しました。


    メインボリュームです。隙間からアルコールを流して接点洗浄しました。