PC-9801/9821用キーボード変換器 2019.3.25

     本変換器は現在ヤフーオークションにて販売中(限定5個)です。(2023.11.4現在)

    ヤフオク販売は即日完売しました。次回販売時期は未定です。(2023.11.5現在)

    1.はじめに

     こちらのマイコン電子工作のページで紹介しましたUSBキーボード変換器を基板化しました。

     製作記事では、PIC24FJ64GB002(ROM-64KB,RAM-8KB)を使っていましたが、基板化するにあたり、PIC32MX220F032B(ROM-32KB,RAM-8KB)に変更しました。
    理由は、メモリは32KBもあれば十分なこととPIC32MXの方が価格が安かったからです。

     基板の片端にminiDIN-8ピンコネクタを持つケーブルを、もう一方にUSB-Aコネクタを設けています。

     miniDINコネクタをPC-9801/9821のキーボードコネクタに差し込んで使います。変換器の+5V電源はキーボードインタフェースから供給されます。

     PICのファームウエアは、処理の見直しを行うとともにハブにも対応しました。これによりハブ付きのキーボードも接続することが出来るようになりました。

    基板にケーブルとUSBコネクタを取り付けています。 絶縁とケースを兼ねて熱収縮チューブを被せています。 PC-9801/9821のキーボードコネクタに差し込みます。無線キーボードのレシーバーを接続しています。


    2.特 徴

    ・USBキーボードは有線式・無線式どちらも使えます。

    ・USBキーボードの変換器への接続は、変換器をPC-98に接続する前でも後でも構いません。USBキーボードを認識すると緑色のLEDが点灯します。

    USBハブに対応していますので、ハブ付きのキーボードの他、外付けのハブを通してキーボードを接続することもできます。ただし接続できるキーボードは一つだけです。それ以上のキーボードを接続しても認識しません。キーボード以外のデバイスを接続しても無視します。

    PC-98側の電源供給能力が判りませんので不必要にハブを繋いだり、不要なデバイスを接続したりしないでください。98側の故障に繋がります。

    ・キーボード変換器や変換器へのUSBキーボードの接続はどのようなタイミングで行っても動作しますが、98本体側でのキーボードの認識状態と一致しなくなりますので、電源投入前に変換器だけは接続しておくことを推奨します。

    電源投入時のキーボードコマンドによるシステムセットアップメニューの表示も可能です。
     ただし、有線式の普通のキーボードやハブ付きキーボードを使った場合にはうまく動作しますが、無線式のキーボードでは、キーボード本体と無線レシーバーの間でリンク確立に時間が掛かるようでうまく動作しません。リセットボタンのある機種では、電源投入後リセットボタンを押すとうまく動作します。

    END(HELP)キーを押しながら電源投入でセットアップメニューを表示 CTRL+CAPS+カナ+ALT(GRPH)を押しながら電源投入でCPU,クロック,解像度を表示(PC-9821V200の場合)
    PC-9801RX21の場合


    3.キーの対応

     USBキーボードとPC-98キーボードとのキーの対応は次のとおりです。PC-98キーボードにはないScrlLockボタンは、ファンクションキーとの同時押しでVfキーに変換するようにしました。

      USBキーボード98キーボード
      Break
      STOP
      PrtScr
      COPY
      PgUp
      RollDwn
      PgDwn
      RollUp
      End
      HELP
      Home
      HOME/CLR
      全角/半角(漢字)
      CTRL+XFER
      変換
      XFER
      無変換
      NFER
      USBキーボード98キーボード
      Alt
      GRPH
      ScrLk+F1
      VF1
      ScrLk+F2
      VF2
      ScrLk+F3
      VF3
      ScrLk+F4
      VF4
      ScrLk+F5
      VF5
      F11
      VF1
      F12
      VF2
      カタカナ/ひらがな
      カナ
      その他
      同じ


    4.LEDの対応

    ・USBフルキーボードのテンキーは、起動時NumLock状態にしています。NumLockのLEDが点灯します。
    ・CapsLockのLED表示は98キーボードに同じです。CapsLockで点灯します。
    ・カナキーを押した時には、ScrLockのLEDが点灯するようにしました。


    5.回 路

     回路は、次のとおりです。特に説明の必要もない簡単な回路となっています。

     
    キーボード変換器 回路図

     基板完成品では、UARTとPICKit3接続用のヘッダピン、ならびにC4(0.1uF)の取り付けを省略しています。

     PICマイコンに書き込んでいるファームウエア(HEXファイル)、ソースコードは次のとおりです。

       キーボード変換機ファームウエア USB2PC98Key.hex
       ソースコード(USBドライバーは含まれていません)main.c


    6.動作確認結果

     ■ 動作確認の結果 認識し動いたキーボード (開発時の確認です)
      テスト環境 PC-9801BX2,PC-9801RX2,PC-9821V200
    
     ・無線キーボード
      logicool  K230
      logicool  MK245nWH   キーボード・マウスセット
      ELECOM    TK-FDM088TBK プレミアムメンブレインキーボード
    
     ・有線キーボード
      Dell      KB212-B
      dPRO      dPRO-MKB90J1(W) 
      Acer      6516-UV
      SANWA supply SKB-SL21UHBK  2ポートハブ付きキーボード
    
     
     ■ 動作確認の結果 認識しなかったキーボード (変換器購入者様からの報告です)
      テスト環境 PC-9801FA/U2
    
       NEC       PK-KB011    バスパワードハブ付きキーボード
      SANWA supply SKB-109LUBKN