今日は妻との二人ハイキング。妻が同行なので短距離コースを考える。東お多福山登山口までバスで乗りつけ、蛇谷北山、石宝殿を経由して六甲山最高峰に登り、下山は魚屋道で有馬温泉へと下ることとする。有馬温泉では足湯が楽しめるとあって妻も本コースを直ちに了承する。
阪急芦屋川駅にて、10時38分発の有馬温泉行きの阪急バスに乗車、東お多福山登山口にて下車する。登山口バス停からは、道標に従い、東お多福山を目指して歩く。
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阪急芦屋川駅前にてバスを待つ |
東お多福山登山口バス停に着く |
バス道から離れ左側の道を進む |
真っ直ぐに進み、道が左にカーブする所で右手の林道に入って行く。この林道をずっと進んで行くと土樋割峠に出るが、東お多福山には、林道に入ってすぐの所を左折し沢に下っていく。沢を渡ると道は樹林の中へと続く。
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道標に従いお多福山方向へ |
右手の林道に進んで行く |
お多福山はここを左に入る |
暫くの間、樹林の中の道を歩く。樹林帯を抜けると、えぐれた道や背丈ほどもある笹薮の中の道を歩かされるが特に険しいというような所は無い。東お多福山は、子供たちもたくさん登る人気コースだけに困難な箇所は無い。
10年程前に家族で芦屋ロックガーデン、雨ケ峠を経て東お多福山に登ったことがある。今歩いている道は、その時の下山道、笹薮の中の道などは、記憶に鮮明に残っているが、樹林の中の道などはとんと記憶に無い。
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谷の沢を渡り道は樹林の中へ |
樹林帯の中の道 |
背丈ほどもある笹薮の道を行く |
周囲の視界が開けてきた頃、後方の奥池方面が良く見渡せる箇所に出た。奥池やそのずっと先、大阪方面までが見渡せるが霞んでいて今ひとつ。今年は暖冬の影響だろうか、いつも霞がかかっており澄み切った眺めになかなか出会えない。
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奥池・大阪方面の景色 |
後方の景色を振り返りつつ楽しみながら登っていたらあっという間に頂上についてしまった。頂上からの眺めは良く、東お多福山の特徴である信州の草原を思わせる雰囲気は相変わらずである。でも、何か雰囲気が10年前の記憶と少し異なる。妻に聞いて見ると同感という。
何が違うのか考えてみた。ざっと見渡して見ると、笹原の中の至る所にある松の低木が結構大きく成長していて、視界を悪くしている。10年前は一面笹原で、このような低木は無かったように思う。当時は雨ケ峠から登ってきた。見る方向によっては、雰囲気も変わるかも知れないと思い、少し下って見たが、奇異な思いが変わる程ではなかった。いずれ、この笹原も樹林に覆われる日が来るのだろうか。次に来る時は、雨ケ峠から登って見たい。
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東お多福山頂上 |
頂上付近の広場 |
雨ケ峠からの道を望む |
頂上で暫く休憩を取った後、次なる目的地、蛇谷に向けて頂上北側の道を下って行く。下り始めはつづら折れの急坂下り。つづら折れの急坂を過ぎると一度平坦な道を行くが、また急な坂を下る。右手下方に舗装された林道が見え出した。こんな所に林道があるなんて一体どこに出るのだろうかと不思議に思いながら下って行くとこの林道に飛び出た。
林道に飛び出た向こう側には、工事用の立て看板に囲まれて道標が立っていた。土樋割峠だ。実はこの時点では、まだ自分が土樋割峠に着いたことに気付いていない。そのためこの後ポカをする。
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土樋割峠に向けて下山開始 |
つづら折れの急な下り道 |
土樋割峠に着いた |
道標は、「トビワリを経て六甲山最高峰へ」・「蛇谷を経て東お多福山バス停へ」・「北山を経て六甲山最高峰へ」・「東お多福山へ」と4方向を示している。
「東お多福山へ」は、今下って来た道、こちらではない。「北山を経て六甲山最高峰へ」とあるが、北山って一体どこの山、そんなの思いつかないぞー、もしかして知らない別の山道か(蛇谷北山の北山とはなぜか気付いていない)?
次の目的地は蛇谷だから「蛇谷を経て東お多福山バス停へ」の方向か、でもバス停なら戻ってしまう、変だぞ、これも違う。残るは「トビワリを経て六甲山最高峰へ」だ。そうだ蛇谷へ行くまでには土樋割峠を越えなきゃならなかったはず、こちらに行けば良いのだ。と、素早く読み取り判断した。仮説案内札も同じ内容だ。
トビワリを目指して林道を左に進んで行く。少し下ると道が大きく左にカーブしそこに道標があった。右手方向は「トビワリ(行き止まり)」、左方向は「本庄橋、六甲最高峰、住吉道」の文字が読み取れた。まず、右手方向を眺めて見ると堰堤が見える、左方向は、道が南に下って行く。どうもおかしい。道標に蛇谷は見当たらぬ。土樋割峠はどこなんだ。一体ここはどこなんだ。
地図を取り出し確認する。ここで自分の間違いに気付く。この林道はお多福山登山口からの林道。土樋割峠は先ほど道標のあった所。ここは七曲がりや本庄橋跡へ向かう道。北山とは蛇谷北山のこと。これらの事が地図で一瞬に判明する。
妻にポカしたことを伝え道を戻る。なぜこんなミスをしたのか考えてみた。東お多福山頂上を下り始めてからは、「次は蛇谷、次は蛇谷、...」と頭の中には「蛇谷」の2文字しか無かった。東お多福山頂上にある道標は「蛇谷北山」とあり「土樋割峠を経て蛇谷北山」とは書かれていなかった。このため、次に着く所は「蛇谷北山」、略して「蛇谷」と思い込んでしまっていた。
事前に地図で土樋割峠の存在は確認して知っていたはずだが、どこかへ飛んでしまっていた。そのため右手下方に見え出した林道も、東お多福山登山口から土樋割峠に至る林道であることに思い至らず、不思議に思ったりもしたのだ。林道に出た時点で、地図を確認すればこんなミスはしなくて済んだはず。
蛇谷北山を目指して仮設の道を登る。仮設の道はわずかで、登りだしてすぐに道は荒れた急坂となった。急坂がずっと続く。先日歩いた黒岩尾根の取り付きの坂道と大して変わらぬ険しい道が暫く続く。随所に道標もあり道に迷うことは無い。
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蛇谷北山への仮設道を行く |
取り付きから荒れた道が続く |
道標もあり迷わず行ける |
頂上目指してぐんぐんと高度を稼いで行く。道が尾根筋の左側に移り変わり、道の左側が断崖絶壁となった時、左方の視界が大きく開ける。前方には六甲山最高峰が、左横には西お多福山が良く望める。
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西側の眺め(西お多福・最高峰) |
左後方の下を眺めると本庄橋跡方向が良く見渡せ、七曲りを登って行くハイカーまでもが、はっきりと見て取れる。ストックを持つ手をストック毎大きく振って見せたが、向こうからの反応は無かった。こんな所から見ている他人がいるなんて気が付きもしないのだろう。
2箇所程、道標の無い分岐に出くわしたが、全て左方向に進み、無事蛇谷北山の頂上に辿り着くことが出来た。芦屋市の最高峰の山であるが頂上からの眺望は無い。道も頂上で行き止まりとなっている。少し戻って、元の道を石宝殿に向けて下って行く。
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本庄橋方向を望む |
蛇谷北山頂上への分岐 |
蛇谷北山頂上 |
ここからの下り道も道の半分がえぐれており、また急坂だ。日が当たらぬ為か霜柱がまだ立っている。うっかりすると足を滑らせてしまう。慎重に下って行く。
一旦鞍部に下り、また坂道を登り返す。坂道を登って行くと、ほどなくして石の観音像が建立された広場に辿り着く。白山姫観音像だ。ここまでの無事を感謝するとともにこれからの無事を祈願してお参りしておく。
広場の北東角を上がると石宝殿だ。石宝殿の祠の前からは大阪方面の眺望が良い。ここでも、無事を祈願しお参りする。寄せ書き帳が置かれていたので、記念に、日付と名前を記帳しておいた。
石宝殿から参道を下るとドライブウェーに出る。参道入り口の石の鳥居は、新調されたところなのか、まだ新しい。鉢巻山トンネルを抜け、少し先から六甲全山縦走路に入る。縦走路を少し歩くとまたドライブウェーに出る。その先はもう一軒茶屋だ。
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ドライブウェーから見る鳥居 |
鉢巻山トンネルへ |
一軒茶屋手前から最高峰を望む |
一軒茶屋手前から六甲山最高峰はすぐだ。最高峰に向かう道の途中にある東屋で昼食休憩を取る。昼食の後、最高峰に向かう。記念写真の後、もう一つの最高峰を見て、下山路、魚屋道に向かう。
魚屋道を下ること1時間ほどで稲荷神社への近道分岐に着いた。ここは近道を選び進む。分岐からの平坦路を過ぎ、やがて道が下りとなった途端、道は一気に悪くなる。慎重に歩く。これなら元の道の方が良かったかも知れないと反省する。なんとか下って行くと無事、稲荷神社境内に辿り着く。ここでもお参りを済ませた後、温泉街目指して石の参道を下って行く。
金の湯の足湯に浸かり、疲れを癒した後、神戸電鉄有馬駅16時40分発の電車で帰途に着く。
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魚屋道を下る |
稲荷神社への近道を下る |
稲荷神社参道 |
各地点の到着時刻、所要時間は次のとおり。
東お多福山登山口 10時56分スタート
〜(39分)〜東お多福山山頂 11時35分着 11時49分発(14分休)
〜(12分)〜土樋割峠 12時01分通過、12時6分再通過(5分ロス)
〜(42分)〜蛇谷北山山頂 12時48分通過
〜(22分)〜白山姫観音 13時10分通過
〜(2分)〜石宝殿 13時12分通過
〜(14分)〜一軒茶屋 13時36分通過
(途中昼食休憩24分)
〜(10分)〜六甲山最高峰 14時10分通過
〜(15分)〜魚屋道下山口 14時25分通過
〜(61分)〜稲荷神社への近道分岐 15時26分通過
〜(16分)〜稲荷神社 15時42分通過
〜(20分)〜有馬温泉金の湯前 16時2分着
万歩計による歩数:20,000歩
歩いた距離:10.5km