六甲山ハイキング 摩耶ケーブル下〜上野道〜摩耶山(掬星台・天上寺)〜青谷道〜旧摩耶道〜新神戸 2006.11.12

     11月12日(日)、今日は神戸市主催の六甲全山縦走大会の日。前日の雨は止み大会は予定どおり開催されているはず。既に須磨浦公園を出発して歩き出しているはずだ。大会に参加はしないがその様子は是非見ておきたいと思い、どこか見学できる場所は無いものかと思案する。

     大会のチェックポイントは菊水山、摩耶山、東縦走路入り口の3箇所、通過点では大龍寺や市が原、凌雲台辺りが見学の候補地。縦走路を見学のためにのろのろと歩き回り、先を急ぐ参加者の迷惑となることは避けたい。行き帰りの道が縦走路から外れていて、かつゆっくりと見学できる場所が望ましい。結果、登り下りのコースが豊富にある摩耶山に決定する。

     摩耶山へは、摩耶ケーブル下から上野道を登ることにした。10時ぐらいから歩き始めて2時間程度で登れ切ればちょうど足の早い参加者が摩耶山に辿り着く頃。帰りはロープウェイを使うことも出来る。

    ハイカーで賑わう
    摩耶ケーブル下駅
     新神戸駅から市バス18系統に乗り摩耶ケーブル下駅に向かう。ケーブル下駅でトイレを済まし身支度の後、歩き出す。上野道へは、五鬼城山展望公園を抜けることになる。バス道を少し戻り五鬼城山展望公園への案内標識に従い進む。

    五鬼城山公園
     住宅地を抜け森の中に入った所が城山公園の始まり。公園内の坂道を少し歩き出すとじんわりと体が熱くなる。早目にジャケットを脱ぎシャツの前ボタンを外し汗対策を行う。さすが半袖Tシャツ一枚になるには今日は気温が低い。城山公園の展望台を過ぎ、道標の「上野道・摩耶山へ」の案内に従い坂を登って行く。

     摩耶山への最短急登コースだけに登りの連続、あせらずゆっくりゆっくりと登って行く。息が上がることは無いが、徐々に徐々にスタミナ切れになりそうな感じがして来る。いつもの簡単な朝食をしたのが7時半頃、既に3時間を経過している。ここらで何か口にしないとバテてしまう。

    摩耶ケーブル虹の駅
     ザックからアミノ酸入りのゼリー飲料を取り出し、チビリチビリと飲みながら坂を登る。ゼリーのレモン味が丁度口に心地良い。飲み終えた頃に広い場所に出た。ケーブルの「虹の駅」だ。アミノ酸の効果が現れるまでの暫しの時間、駅前の展望広場で休む。5分程の休憩で次に向かうことにする。

    往時が偲ばれる参道
     「虹の駅」から進む道は往時の参道。平坦な参道を暫く進みその先の急な坂道を登り詰めると上野道と青谷道への分岐のある所に着く。前方左上方に山門が見える。予想していたよりも短時間で来れた。アミノ酸の効果か疲れも無い。

    山門
     山門をくぐると前方に整然とした石の階段が聳え立つように見える。約400段あると言う石の階段だ。ここを登リ切ると史跡公園、ちなみに段数を数えながら上がって見た。

    摩耶山史跡公園
     その数327段で旧天上寺跡史跡公園の広場に出た。さぞかし時間がかかったかと思いきや10分足らずで階段を上がってしまった。ここ史跡公園からの眺望も良い。阪神間の街並みが良く望める。先日に登った長峰山の頂上がちょうどここから真東方向に見える。山頂の岩の上に登っている人は居ないかと目を凝らして見てみたが小さくて良く見えない。

     史跡公園から摩耶山頂へは、尾根道コース(三角点に向かう)と森林浴コースの2手があるが、森林浴コースに道を取る。すぐに急な登りが始まる。摩耶山への最後の急登だ。10分程で通信施設のある摩耶山上に出た。

    大会の横断幕
     掬星台への入り口には「六甲全山縦走大会」の横断幕が掲げられていた。時刻は11時20分過ぎ、すでに到着して受付を待っている人が居る。ここでの縦走大会チェックポイントは12時からの予定、縦走路の天狗道方向を見てみると、次から次と参加者がこちらに向かってくる。早朝5時一番に須磨浦公園を出発したとして6時間余り、一体この人達の身体能力はどうなっているんだろうと不思議に思う。これから一年程度ハイキング歴を重ねると私もあんな風に成れるのだろうか。

    摩耶山天上寺裏口
     12時過ぎの到着を予定していたのだが、以外に早く着いてしまった。体力的にもまだまだ余力がある。摩耶山天上寺からの眺望も絶景と聞く。縦走路に従ってオテルド・摩耶を経て、摩耶山天上寺に向かう。縦走路はオテルド・摩耶の駐車場の端から右手方向に森の中へアゴニー坂に向かっていくが、天上寺へは縦走路には入らずに広い車道をそのまま進む。車道のカーブを曲がった先に天上寺の裏門がある。裏門から天上寺に入る。

     境内からの展望は素晴らしい。ここから西方向がずっと遠くまで瀬戸内海の島々まで見渡せる。明石海峡大橋や須磨の鉢伏山、旗振山、須磨アルプスの山々も良く見える。鈴蘭台方面や私の住む街も良く見渡せる。

    天上寺本堂
     靴を脱いで本堂に上がり仏様にお参りをする。時節柄七五三参りが行われていた。ご念仏を受ける家族が順番を待っている横に座り込み暫く読経に耳を傾ける。

     堂の中で心休まる時間を過ごした後、帰りは表門の方へ回って見た。色付き出した紅葉に囲まれた長い石の階段を下った先の表門の外は摩耶ドライブウェイの車道。

    表門へ下る石段
     車道に出て見ると山頂方向からハイカーの集団が駆け足で走ってくる。時刻は丁度12時を過ぎて間もない頃。縦走大会の先頭集団の人達だろう、チェックポイントの受け付けを済まし先を急いでいるのだろう。それにしても縦走路はこの道ではないはず、ここからはアゴニー坂を下るのが本来の道、まさか道を誤っているわけではあるまい。先日アゴニー坂を下った事があるが、あの道は急な下りで幅が狭くかつ足場も悪い。人の渋滞が起こるのは間違いない所。多分それを嫌っての広い車道の駆け足なんだろう。

    オテルド・摩耶前を駆け
    抜けて行く大会参加の人達
     ドライブウェイをオテルド・摩耶に戻り、先程通った縦走路を掬星台に向かう。前方から参加者が足早にこちらに向かってくる。疲れた顔をした人も居ればまだまだ元気そうな人も居る。のんびりと歩いて来る私の事なんか眼中に無いかのように通り過ぎて行く。いつもなら「こんにちは」と互いに元気良く声をかける所だが、今日はそんな元気も余裕も無いというところだろう。

    掬星台広場
     掬星台に戻って見るとたくさんの人が休んでいる。「摩耶山を守ろう会」の呼び掛けに応え少しの募金をしておいた。大会参加者だけでなくここ掬星台にはたくさんのハイカーが集まり思い思いに休憩をしている。

     当方も持参したダイエット食やおやつでお昼にする。ハードな行程を考えていなかったのでおにぎりは持ってこなかった。先日の反省で風除けのジャケットを一枚用意してきたので気持ちにも余裕がありゆっくりする。空腹も納まり今日の目的の一つでもある縦走大会の雰囲気を知る事も出来たのでそろろ下山することにする。

     午前中の登りは以外と短かったので帰路は少し時間のかかる旧摩耶道を回って新神戸に直接戻ることにする。旧摩耶道に至る青谷道への分岐がある山門まで来た道を戻ることになる。史跡公園などは来る途中で見学しているので寄り道はせずに一気に下ることにする。史跡公園下の長い階段を若者のパーティがフウフウ言いながら上ってくる。

    山門下の青谷道への分岐
    青谷道の下り階段
     山門を過ぎてからから青谷道に入る。青谷道の連続する急な坂道を足を踏み外さないよう慎重に下ること40分程で行者堂に着いた。ここから旧摩耶道に入る。ガイドブックにも書かれているとおり旧摩耶道は歩く人も少なく荒れた所が多々ある。途中道が途切れてしまったのではないと思える個所が何箇所かあった。斜面を横切る平坦な道が続きアップダウンはほんの少し。たんたんと歩いていくことが出来る。

    行者堂
     最初は山肌の左斜面を歩いていたのだがいつのまにか右斜面を歩いている。学校林道への分岐を過ぎて小さなピークを越えた辺りから右斜面を歩き出したように思う。右手方向に市が原から摩耶山に向かう天狗道の荒れた岩場の尾根が見える。

    雷声寺境内奥の不動明王像
     道はいつしか雷声寺境内奥の不動明王像の横に出る。境内を通り抜け寺の表門を出ると熊内町。ここでもまだ高度は高く眼下に住宅が広がる。熊内町の住宅の中を下っていくと、新幹線の到着・発車を告げるアナウンスが聞こえて来た。新神戸駅が近い。新幹線を跨ぐ陸橋を進み新神戸駅へと入って行く。今日のコースの終着だ。

     各地点の到着時刻、所要時間は次のとおり。

    新神戸駅 9時36分発(市バスに乗車)
     〜(14分)〜摩耶ケーブル下 9時50分下車、54分発(4分休)
     〜(13分)〜五鬼城山展望台 10時7分通過
     〜(26分)〜ケーブル虹の駅 10時33分着、38分発(5分休)
     〜(12分)〜旧天上寺山門 10時50分通過
     〜(10分)〜旧天上寺跡史跡公園 11時0分着、10分発(10分休)
     〜(10分)〜上野道・青谷道下り口 11時20分着

       摩耶山頂周遊(掬星台、オテルド・摩耶、摩耶山天上寺)・昼食

    掬星台 12時35分発
     〜(15分)〜旧天上寺山門 12時50分通過(ここから青谷道を下る)
     〜(24分)〜行者堂 13時14分通過(ここから旧摩耶道を下る)
     〜(25分)〜学校林道への分岐 13時39分通過
     〜(22分)〜雷声寺 14時1分着
     〜(8分)〜同寺境内 14時9分通過
     〜(11分)〜新神戸駅 14時20分着

     歩いた距離:9km