六甲山ハイキング 鈴蘭台〜菊水山〜鍋蓋山〜市が原〜布引〜新神戸 2006.10.18

     有馬街道を箕谷から神戸方面に向けて走る時、深夜には幽霊が出るという噂の絶えない小部トンネルを抜けた直後に頭上に道路を跨ぐ吊橋が見える。頑丈そうな造りの吊橋である。こちらに越してきて以来約20年になるが、この吊橋を渡っている人をついぞ見かけた事がない。一体誰が何の目的で利用する橋なのか私のとっては長らくの謎の一つであった。

     実はこの吊橋、六甲山の数あるハイキングコースの一部であるということをつい最近になって知った。


     先日の日曜日(15日)、新神戸から北野異人館〜元町・中華街〜メリケンパーク〜ハーバーランド〜神戸駅と巡るウォーキングを楽しんだ。快晴に恵まれて気分は最高。この散策に気を良くし、他にも良いルートはないものかとネットを検索してみた。

     神戸市が提供するハイキングコース一覧ページや神戸電鉄おすすめのハイキングコース一覧のページがヒット。神戸電鉄おすすめコースの中から「菊水山・再度公園コース」の内容を調べて見る。鈴蘭台駅を出発して、菊水山〜天王吊橋〜鍋蓋山〜再度公園〜二軒茶屋から鈴蘭台駅に戻るコース。

     鍋蓋山からは、大龍寺を経て市が原〜布引〜新神戸と回ることも出来る。再度公園や新神戸〜布引は一度歩いたことがある。所要時間は約2時間半から3時間というところか。

     菊水山〜天王吊橋〜鍋蓋山〜大龍寺〜市が原の区間は六甲全山縦走路の一部であり、天王吊橋とは、有馬街道を車で走る時にいつも見上げるあの吊橋である。長らくの謎が解けた。あの吊橋はハイキングコースだったのだ。それにしても今までハイカーの姿を一度も見かけたことが無いというのも不思議なものである。

     六甲全山縦走路とは、西の須磨浦公園から東の宝塚駅までの56kmの、六甲の山々を西から東に向かうハイキングコース。ここを一日かけて歩き通す六甲全山縦走大会というものがあるらしい。その道の人にとっては有名な大会らしい。菊水山から鍋蓋山の区間はこのコースの難所のうちの一つとのこと。

     こんなことが分かってくると是非とも歩いて見たくなった。菊水山へは、全山縦走の鵯越から上るのはきついらしいが、鈴蘭台からは楽に上れるとか。菊水山を下って鍋蓋山に上るのは相当きついらしいがその後は下り一方で楽らしい。これまでまともなハイキングなんて経験したことのない自分でも歩けるだろうとたかをくくって挑戦して見た。

     今まで、まともなハイキングといえば今から10年ほど前、子供達が小学生の頃に、家族で芦屋川から芦屋ロックガーデンを経て東お多福山へ上ったぐらい。再度公園、森林植物園など公園内を一時間程度、徒歩でぶらつく経験は何度もあるが、2〜3時間の歩行経験はこの東お多福山ハイキングだけ。


     鈴蘭台駅前のコンビにでおにぎりを購入。時刻は10時。ここから神鉄車庫に向けて線路沿いに歩く。
    スタート地点

     10分程で菊水山の登山口に到着。毎日誰かが歩いているというこのコース。この日も何人かのハイカーを見かける。  登山口からは、頂上にある無線中継所の保守用の車道が整備されておりここを歩くこともできるが、森林浴コースを歩くことにする。確かに、急な坂道もなく楽に上ることができる。

     ほどなく歩き、署名所を過ぎて、頂上間近の急な階段を上り切ると頂上に出る。20名程のどこかの団体さんが休んでいた。この日は好天だが霞がかかっており眺望は今一つ。余り休むこともなく、次なる地点、あの吊橋を目指す。
    菊水山頂上から
    鍋蓋山をのぞむ

     菊水山の下りは結構険しい。岩場、岩場の連続。初心者の二人(女房が同行していた)仲良く手を取り合ってゆっくりと降りる。下山途中に数名のハイカーに追い抜かれるが気にしない。

     40分程かけて天王吊橋に出る。おお、これがあの吊橋。いつもは下から見上げていたが今日は下を見下ろしている。感激!感激!

     吊橋を渡ってびっくり。なんと山の斜面が目の前にそそり立つ。鍋蓋山に行くにはこれを登るしかない。結局、休み休みゆっくりと登り、45分程をかけて鍋蓋山頂上に辿り着く。菊水山から鍋蓋山までの標準的な所要時間は一時間、そこを一時間半ほどかけたことになる。

    下ってきた菊水山
    鍋蓋山頂上
    頂上の広場

     頂上に着いて見ると、登り途中で追い抜いていったご婦人の団体が休憩していた。時刻は12時30分を過ぎている。我々二人も持参したおにぎりで昼食を取る。ここを13時ジャストに出発。大龍寺を目指して鍋蓋山を下る。

     なだらかの下り道が続く。休むことなく歩け、苦も無く大龍寺に到着。ここで休憩を兼ねて参拝。縦走路に戻り、山門に出る。山門前の再度山ドライブウェイを横切り、向かいの舗装道に入り市が原に向かう。

     市が原の河原を渡り、桜茶屋に出る。ここでトイレ休憩。この後は、ぶらぶらと布引貯水池から布引の滝、見晴台を経由して、新神戸駅に出る。

    布引貯水池(神戸の水瓶)
    見上げるとハーブ園へのロープウェイが
    布引の滝(雄滝)

     時刻は15時30分過ぎ。鈴蘭台駅を出発して5時間半、初心者にとってはまずまずのハイキングとなった。 新神戸駅構内の喫茶店にてケーキセットを食べてこの後バスで帰宅。

     疲れたけども楽しい一日であった。

     歩いた距離:10km